化学と植物の新技術セルロースナノファイバー

化学と植物の関係で新しい技術があります。それがセルロースナノファイバーです。炭素繊維は、一般に鉄よりも軽く鉄よりも強い機械的な性質を持つため、飛行機の機体や自動車車体などへの応用が進んでいます。しかし、一般の炭素繊維は石油由来の炭素を使った合成で作られているため、環境負荷が掛かります。それに対してセルロースナノファイバーは木の中のセルオースをナノサイズに分解して作るファイバーです。環境にやさしく、またセルロースナノファイバー独自の性能も現れています。そんなセルロースナノファイバーのご紹介をします。

1) 炭素繊維
2) セルロースナノファイバー
3) セルロースナノファイバーの性質
4) セルロースナノファイバーの製造法
5) セルロースナノファイバーの応用

1) 炭素繊維
炭素繊維は、鉄よりのずっと軽いのが特徴です。鉄の7分の1、アルミの4分の1の軽さです。炭素繊維は石油系の合成繊維を蒸し焼きにして炭素の繊維にすることで作られます。もともとの合成繊維に窒素が含まれるので、炭素繊維の一部に窒素が含まれるものもあります。高温で焼成すれば、窒素が抜けて純粋な炭素繊維ができます。炭素100%の方が、弾性率が高い繊維になります。炭素繊維は硬さや軽さは簡単に条件をクリアしても、飛行機の翼のようにしなる必要がある部分に使うには弾性率が重要になります。ポキっと割れてしまうイメージの炭素繊維ですが、高弾性率も達成できています。

カーボンナノファイバーは、カーボンナノチューブを含む、合成された炭素繊維でナノチューブの作り方は合成繊維の蒸し焼きともセルロースから作る方法とも違います。

2) セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバーとは、木の中のセルロースを解きほぐしてナノファイバーにしたものです。セルロースとは植物を形作る骨格分子で、分子式 (C6 H10 O5)n で表される炭水化物(多糖類)です。糖の一種ですが、人間は分解できないので、消化されないで排出されるいわゆる植物繊維です。その植物繊維は、非常に細かいセルロースの繊維が絡まった構造をしています。従来のほぐし方では、紙に使われるようなほぐし方で、炭素の繊維をナノサイズまでには細かくほぐせていませんでした。

3) セルロースナノファイバーの性質
セルロースナノファイバーは鉄よりも軽く鉄よりも強度が5倍になります。紙と同じ材料で同じような繊維ですが、繊維の細かさが違うことでこの強度が出ます。紙には太い繊維が疎らに絡まっている状態なので、弱いのですがセルロースナノファイバーはナノサイズにまで細かい繊維がより密になって絡まっているために大きな強度が出せるのです。また、紙と同じようにセルロースナノファイバーをシート状にして使うこともできます。さらに透明な紙にすることも可能です。

4) セルロースナノファイバーの製造法
セルロースナノファイバーの製造には、繊維を分解する触媒が必要です。それがTEMPOと呼ばれる有機化合物の触媒です。東京大学の磯貝明先生がこの触媒を用いて、セルロースをセルロースナノファイバーにすることに成功しました。ニトロキシルラジカル (R2N-O•) の一種、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル (2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl) の略称です。簡単に言うと窒素と炭素が環を作っている有機化合物です。この触媒は水に溶けて常温ではたらく環境にやさしい触媒です。

5) セルロースナノファイバーの応用
セルロースナノファイバーは、価格で他の炭素繊維より安いという点もメリットで、炭素繊維と同じような応用もあります。しかし、紙パルプの延長線上にある技術ですから、シート状にした新しい紙として金属などを分散させて殺菌力を持つ紙、薬を分散させて診断力のある紙、透明な電気配線板に使ったり、軽いタブレットスマホのボディーに使う、ガスを通さないような紙というさまざまな応用があります。王子製紙をはじめ製紙メーカーが技術を競っている状態です。

まとめ
軽くて強い炭素繊維。その新しい合成法がセルロースナノファイバーです。木や植物のセルロースを化学の力で究極まで分解して解きほぐした新世代の紙の技術です。木を使うという環境にやさしい発想で生まれています。応用面も医療、機械、電気と幅広い展開があります。これから製紙メーカーの技術開発が進んでいくと身の回りにどんどん登場すると思います。

資源の代表である石油を使わない化学や自動車や発電所が実用化されつつあります

日本って資源がないので
資源を輸入するしかありません。

そのために外貨を稼ぐ必要があります。

今は自動車産業等が輸出して、
資源を輸入するスタイルです。

この前提が崩れる時代が来るかもしれません。

資源の代表である石油を使わない化学や自動車や発電所が実用化されつつあります。

バイオ燃料やバイオ化学材料、電気自動車や燃料電池などがそれらを支える技術です。

藻から油を取る技術、
植物を材料としたプラスチックの技術、
電池とモーターで動く自動車、
水素をゆっくり反応させて電気を取り出す発電技術が具体的な技術です。

これらを開発する上で既存の化学や物理や生物の知識では足りません。

インターネットやモノのインターネットと言われるIoTで高度にインフラとして制御される発電網が目指されています。

では、人々の暮らしはどう変わるでしょうか?

あまり変わらないと私は思ってます。

エネルギーや資源や化学は社会を影から支えて、人々はその変化には気付かないでしょう。

原子力発電に反対する人も夏場はクーラーを使うでしょう。

地球温暖化を心配する人も移動には自動車を使うでしょう。

不自由には戻れないのです。

人々の暮らしを支える大きな技術を作る事が求められていますが、実際には一部の技術者が携わることです。

そのために技術を進みやすくするルールを作ることは大事だと思います。

温暖化ガス排出権等のルールです。

中国、インドの20億人が石油を使い切る前にルールと技術を作るべきだと考えています。

日本には当然、技術者以外にも仕事があります。

大きく伸びるのは福祉と観光でしょう。

福祉は必要な人を助けるために行いますが、一方では助けたい支援者の仕事を大量に生み出す現場です。

観光は外貨を稼ぐために必要な産業です。

自動車を組み立てて外貨を稼ぐ産業は日本に残らないでしょう。工業は組み立てから開発へ軸足を移すでしょう。

観光は英語や中国語といった語学と日本らしい観光資源を組み合わせて伸ばすように力を入れています。

小さな島国日本が世界に提供できる価値は
環境技術
福祉モデル
観光資源
があると指摘されています。

2008年 日経8月25日◆リチウム電池向け銅はく

2008年 日経8月25日◆リチウム電池向け銅はく

日本経済新聞の気になった記事。
まずは、リチウム電池関連。
古河電工のリチウム電池の向け銅箔増産。
電池の負極の一部に使うのだそうだ。
どういう部分かは不勉強で分からない。
銅箔というと私はプリント配線板を思い出す。
古河電工の子会社の名前も
サーキットフォイル社だから当然、配線板向けだろう。
電池にも使われているのだから銅箔の用途にもいろいろあるものだ。

四角い電池のなかで折りたたむように薄膜の
正極と電解質と負極が入っているので
その折りたたむ部分からの配線だろうか?

銅箔には電解タイプと圧延タイプがある。

プリント配線板は基板に貼り付ける強度の強い
電解銅箔が使われる。

電池の銅箔が圧延か電解かは不明。
圧延は曲げ伸ばしに強い。
銅の組織が横に伸びているからだ。

電解タイプは電気めっきによって銅箔が成膜されるので
膜に対して垂直方向に組織が伸びているのが特徴だ。

他にも正極のコバルトを安いマンガンで代替させる材料開発も進んでいる。

電池は日本勢が強く、電池を材料から支える化学・素材メーカーも日本が有利だ。

頑張って欲しい。

リチウム電池向け銅箔

次はいわゆる都市鉱山。電子材料として有用なレアメタルを
不用電子機器から回収するリサイクル技術だ。
レアメタル価格の高騰から注目を集めている。

従来から金や白金はよく回収されているが
他の金属にも広がっているのだ。

効率よく集めるのに電気化学が活躍しそうだ。

都市鉱山

最後に非食料系バイオ燃料の開発
東京工業大学の原亨和教授の成果だ。

原油価格の高騰。食料不足。
バイオを利用する化学がこれから大いに期待できる。
エレクトロニクスだけでなくバイオ化学にも注目したい。

OKIは植物由来トナーを試作している。
植物がバイオを通じて”再び”化学と一体化する日は近い。

バイオ燃料

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COMMENT:
AUTHOR: HAL9000
URL:
DATE: 08/26/2008 08:04:52
うーん…
非食料系バイオ燃料に興味あり!そもそも、実験ならともかく、トウモロコシとかの食料または飼料を原料にしようという発想が変!世界情勢が把握できてないというか…。

ちなみに、今のリチウム電池の進化は、やっぱり次へのつなぎでしかないなぁ…。次が出てくるまでは、大容量化や小型化を頑張って欲しいけど…。せめて、普通の赤色レーザーのDVD→ブルーレイ→紫外線レーザーくらいの進歩が欲しい!そんなにも大きな変化は全然ないよね…。もしあるなら、ぜひともご教授を!
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COMMENT:
AUTHOR: あざみ
URL:
DATE: 08/27/2008 12:21:11
電池
電池は数百年の歴史があり、究極まで進化してるのでコレから先になかなか大幅には進化しないでしょう。レーザーは新しい技術ですからね。
リチウムに限れば材料を変えて少しは進化してるます。