強誘電体SrBi2Ta2O91薄膜の焼成方法に関する考察

強誘電体薄膜は不揮発性メモリへ応用するために
研究されていた。
今回、温度の上昇過程ではなく、冷却過程に注目して考察を行った。

一般にSBT薄膜は
結晶化度が800度と高いため、
また、
リーク電流の制御が難しいために、
高密度のメモリへの実用化は困難だと思われている。

この結晶化温度と
リーク電流はともに焼成過程に鍵がある。

SBT薄膜はゾルゲル液を塗布して、
仮焼成を450度で行う。

その後、本焼成だが、
このとき、結晶化がなぜ起こるか?
一つには、結晶を組み替えた方が安定だから、

これを低温で起こすのは、難しそうだ。
結晶化は、
ゾルゲル後のアモルファスから、
650度でフルオライトと言われる構造に変わる。

このフルオライト構造の時の粒子が細かいと、
700度という低温でも一部の粒子が結晶化が進むことが知られている。

このフルオライト構造の粒子径は、30ナノメータ程度で
ゾルゲルの液の内部のコロイド径とほぼ一致する。

これは、ゾルゲルのなかで、
部分的にビスマスの濃度が高い部分があって、
そこから反応が先に進むのか?
粒子の中で、大きさの異なるものから先に進むのか?
のいずれかであろう。

このような手法で低温焼成しても、
700度では部分的にしかビスマス層状強誘電体は
形成されない。
さらに、この膜を750度で焼成しても
パイロクロアと呼ばれる微結晶部分が残り、
強誘電体特性が落ちるだけでなく、

リーク電流特性が特異的に悪くなる。

このリーク電流の原因の一つに、
粒子界面に過剰なビスマスが溜まって、
リークパスを形成するというモデルも提案されている。

800度で焼成したものは、リーク特性も、
強誘電性特性も優れていた。

温度上昇時には、
同じスピードで上げている。

750度という温度が焼成初期にあることでリーク特性が悪化するのか??

それとも700度や800度で焼いた後に、
750度に置く二段階焼成でも特性が悪化するのか??

800度までゆっくり温度を上げる必要があるのか??

こんな疑問が出てくる。

サンプルが少ないので、これ以上の議論は想像になるが、

800度で焼成して、いいSBT薄膜を作ることに
目標を定めた方がよさそうだ。

750度で作って、ビスマス過剰粒子を800度焼成で
飛ばしているような過程も考えられる。

750度焼成したあとのビスマス過剰部を化学薬品で
電気化学的にエッチングする方法もあるだろう。

低温焼成は、SBT側にはあまりメリットはない。
基板のシリコン側の問題だ。

800度で焼成して、700℃までの
温度の下げ方がポイントになる。

ゆっくりさげるか、
750度でいったん止めておくか、
急激に下げるか。

一般に小さな炉のほうが、失敗確率が高いようで、
急激に下げるのは、よくないらしい。

すべての酸化物薄膜研究者が

このあたりのことに気を使っているんです。

ご参考までに。

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