ペロブスカイト太陽電池では、熱劣化が商業化の障害になっている。今回、熱によって生じる構造的変化と化学的変化の機構が、透過電子顕微鏡のin situ測定によって明らかにされた。

Article: ペロブスカイト太陽電池の熱劣化のin situ観察

In situ observation of heat-induced degradation of perovskite solar cells
doi: 10.1038/nenergy.2015.12

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Article

In situ observation of heat-induced degradation of perovskite solar cells
G. Divitini, S. Cacovich, F. Matteocci, L. Cinà, A. Di Carlo & C. Ducati
Nature Energy 1, Article number: 15012 (2016)
doi:10.1038/nenergy.2015.12
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Characterization and analytical techniques | Solar cells | Solar energy and photovoltaic technology
Received:
25 August 2015
Accepted:
18 November 2015
Published online:
18 January 2016

http://www.nature.com/articles/nenergy201512?WT.mc_id=SFB_Nenergy-201602_JAPAN_PORTFOLIO

ペロブスカイト太陽電池は,近年盛んに研究が行われています。
そのエネルギー変換効率(PCE)は15%を超え,さらに,デバイスは溶液塗布により作成でき,低コストに製造できるという利点があります。
この太陽電池で重要な役割を担っているのは,光吸収層として用いられる半導体材料の有機無機ハイブリッド型のペロブスカイト化合物(MeNH3PbI3)です。
高純度のヨウ化鉛(II)をペロブスカイト化合物の原料に用いることで,優れた太陽電池デバイスを作成することが可能になります。
先にあげた論文のアブストラクトを読んでみると、

透過型電子顕微鏡で、加熱しながた、その場観察して
熱によって化学的成分の移動とそれによる物理的な構造変化が
劣化の原因だと分かったとしている。

特に、化学成分としては、
鉛とヨウ素のマイグレーションが問題だという。
鉛は、融点も低いし、揮発しやすい性質だから、当然加熱すれば成分が移動したり、揮発すると思う。

ヨウ素にもそれに近い性質があるのは、ちょっと驚いた。

そもそもなぜ、熱安定性を調べるのか?

PbI系ペロブスカイト型太陽電池の薄膜は、

ほとんど加熱せずに硬化する結晶だと思っていたが、
実際には形成過程に加熱が必要なんだろうか??

それとも商業的に太陽光を受けている最中に上昇する熱によって
劣化するのか?

いずれにしても熱によって劣化するようでは
瞬間的な効率がよくても、
将来性が低い。
ビスマス系強誘電体でも同じように、ビスマスのマイグレーションが起きて、
それによって形成される構造が異なり、性能が変わることを報告している。

今回の、鉛とヨウ素のマイグレーションも同様に熱によって、
膜内での移動、および、空気中への揮発が起きていることが予想されている。

特に鉛が空気中に揮発するのは環境面でよくないし、性能面でも良くない。

鉛フリーのペロブスカイト型太陽電池を開発して
熱安定性を実現しなければ、

太陽電池としての実用性は低い。

熱安定向上が望まれる。

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